学科長あいさつ

狩野学科長

文学部日本語日本文学科
狩野 雄 学科長

内なる言葉を豊かにする――「日文」(=日本語日本文学科)という場

AI時代の到来と「知的乱世」の幕開け

 AI(人工知能)の時代が到来しています。人工知能の知性が人類の知性を凌駕りょうがするときのことをシンギュラリティ(技術的特異点)と呼び、その瞬間が今世紀の前半に訪れると予想されています。人類は知性において他の生物に超えられた経験は持たないはずです。だから、この後の時代がどのようになるかはよくわからない。言ってみれば、知的乱世がやってこようとしているのです。わたしたちは好むと好まざるとにかかわらず、そんな時代に生きることになっています。

今こそ「日文」で学ぶことの意味

 このことに漠然とした不安を覚える人もいるでしょうし、なんだかワクワクするという人もいることでしょう。どちらの人も、こんな時代だからこそ日文で学ぶことに意味があるのです。
 わたしたちが世界を、人間を、自分を理解するとき、感じるとき、動いているのは言葉です。少なくとも、自分の心の動きそのものを理解するのに言葉は欠かせませんし、それを誰かに伝える主たる手段が言葉だとは言えるでしょう。だから、今でも盛んに歌が作られてうたわれ、喜んで聴かれているのです。

AIには代えられない「自分自身の言葉」

 ここでいう「言葉」を自分に当てはめて考えてみれば、それは母語である日本語ということになります。日本で生まれ育った人が当たり前に使える日本語をあえて学んでみることの意味は何でしょうか。それはおそらく、心のうちに言葉を根付かせていきながら、心を豊かにすることにあるのでしょう。
 これからの時代、自分の外側にある言葉はAIが補ってくれるでしょう。でもそれだけでは足りません。自分の代わりにAIに感じたり考えたりしてもらいたい人はいないはずです。わたしたちの心はわたしたち自身で言葉にするほかありません。だからこそ、日文の時代がやってきたと声高くうたうことができるのです。

「学」という字に込められた、知の循環

 それじゃあ、どうやってするのだろう、と思う人がいるかもしれません。そのことを、「学」(音読み「ガク」)字の訓読みから考えてみましょう。
 「学」の訓読みは何でしょう、と訊かれれば、みなさん「まなぶ」と答えます。それで正しいのですが、ここで辞書を紐解いてみると、「まねてする」という方向の「まなぶ」以外にも、「ああ、そうかと気づく」という方向の「さとる」もあることに気づきます。
 日文の学びはこれと同じです。様々な言葉それ自体や言葉で紡がれた作品を学んでいき、あるとき、ハッとして、ああ、そうなんだとさとる瞬間がやってきます。そうすると、今度は誰かに伝えたくなりますよね。実は、「学」字にはもう一つ訓があるのです――「をしふ(おしえる)」。自分の知ったことのなかでも、そうなんだと心が動かされたものを人に教える、うまく伝えられないこともあって、自分の理解が十分ではないことに気づくのでまた学んでいき、どこかで、ああ、そうなんだなとさとることになって、それを人に伝えるべく表現する――どこまでも続けていける、言葉や表現に関する学びの、知の循環に自ら加わること。これが日文でしか味わえない学びの本質なのです。

内なる言葉を育て、世界をより深く美しく

 日文という場で、さまざまな言葉に触れ、存分に感じ、考え、語り合い、書いてみてください。そのときみなさんの内なる言葉は、豊かに茂っていき、世界はもっと深く、美しい姿を見せてくれるはずです。
 成長したみなさんにとってみれば、AI時代は喜ばしいものに感じられることでしょう。日文という場で学んでさとって成長する自分自身に大いに期待してください。

教員の紹介

  • すべて
  • 古典文学
  • 近世文学
  • 近代文学
  • 漢文学
  • 書道
  • 国語教育
  • 日本語教育学
  • 言語学
  • 日本語学
  • 情報学
  • 古典文学

    くわしく見る

    影山 尚之

    影山 尚之教授

    かげやま ひさゆき

    専門領域: 上代(奈良時代)日本文学

  • 古典文学

    くわしく見る

    鈴木 隆司

    鈴木 隆司教授

    すずき たかし

    専門領域: 中古文学

  • 古典文学

    くわしく見る

    寺島 修一

    寺島 修一教授

    てらしま しゅういち

    専門領域: 中世文学

  • 古典文学

    くわしく見る

    山﨑 淳

    山﨑 淳教授

    やまざき じゅん

    専門領域: 日本中世文学、仏教文学、説話文学

  • 近世文学

    くわしく見る

    羽生 紀子

    羽生 紀子教授

    はにゅう のりこ

    専門領域: 日本近世文学、日本出版文化史

  • 近代文学

    くわしく見る

    小泉 京美

    小泉 京美講師

    こいずみ きょうみ

    専門領域: 日本近現代文学

  • 近代文学

    くわしく見る

    三品 理絵

    三品 理絵教授

    みしな りえ

    専門領域: 日本近代文学

  • 近代文学

    くわしく見る

    山本 欣司

    山本 欣司教授

    やまもと きんじ

    専門領域: 日本近代文学

  • 漢文学

    くわしく見る

    狩野 雄

    狩野 雄教授

    かのう ゆう

    専門領域: 中国古典文学(漢文学)

  • 平田 光彦

    平田 光彦准教授

    ひらた みつひこ

    専門領域: 人文学(芸術学,書道),社会科学(教育学)

  • 国語教育

    くわしく見る

    村山 太郎

    村山 太郎准教授

    むらやま たろう

    専門領域: 中古文学、古文教育

  • 日本語教育学

    くわしく見る

    野畑 理佳

    野畑 理佳准教授

    のはた りか

    専門領域: 日本語教育学

  • 日本語教育学

    くわしく見る

    林 貴哉

    林 貴哉講師

    はやし たかや

    専門領域: 応用言語学、在外ベトナム人研究、日本語教育学

  • 言語学

    くわしく見る

    佐藤 勝之

    佐藤 勝之教授

    さとう かつゆき

    専門領域: 英語学、言語学(機能言語学、テクスト分析)

  • 日本語学

    くわしく見る

    木下 りか

    木下 りか教授

    きした りか

    専門領域: 日本語学

  • 日本語学

    くわしく見る

    設樂 馨

    設樂 馨准教授

    したら かおる

    専門領域: 日本語学

  • 情報学

    くわしく見る

    工藤 彰

    工藤 彰准教授

    くどう あきら

    専門領域: 人文情報学、メディア表現

国文学会

大学は自主性を持って学ぶところです。
「武庫川女子大学国文学会」とは、学生主体による学びあいの場を広げて、学び究めるために設立された学科独自の団体です。
この学会は、文学部・日本語日本文学科と短期大学部・日本語日本文化学科の全学生と大学院生、専任教員が作り上げるものとなっています。
そこで、より深い教養を身につけてもらおうと、学科ならではの特性を活かした様々な活動を行なっています。

活動一覧

dice 講演会
外部から講師の先生を招いて開催します。時には発展的にシンポジウムを開催することもあります。
dice 談話会
学科にゆかりのある先生のお話を伺ったり、学生の希望に応じた企画が催されたりします。
dice 文学遺跡探訪
文学に因んだ日帰りコースのツアー。深い知識に恵まれた専任教員が引率しますので、ガイドブックには載っていないような所まで足を伸ばすことも…。
dice 機関誌『会員の広場』
各種行事の記録のほか、新しく着任された先生のインタビューや、先生方の研究のこぼれ話、毎年の修士論文・卒業論文の題目まで、注目記事が満載。書道を学ぶ学生が題字が巻頭を飾ります。
dice 出版物

武庫川国文

『武庫川国文』: 武庫川国文学会研究部会会員の学術誌です。武庫川女子大学リポジトリに搭載し公開されています。

学会はこうした体験をとおして社会性を培い、多角的なものの見方を養ってもらう、という普段の授業では行き届かない面を補充する役目も担っています。
国文学会とは、アカデミックな大学でしか出来ない行事を学生のチカラで達成していく、武庫川女子大学ならではの学会なのです。

関連施設

  • 言語文化研究所

    私たちが何気なく使っていることばの中にある、不思議な、興味ある法則を探求して、現代日本語の問題を追究しています。具体的には、方言、語源、若者ことばなど、さまざまな切り口から日常のことばを取り上げ、社会に向かって問題を提起し、リポートしています。また、毎年、言語文化セミナーを開催し、学生、地域の人たちと一緒にことばの問題を考えます。

    言語文化研究所のページへ

  • 書道教室

    書道教室は、大学だけでなく短大の書道の授業でも活用されています。コンピュータ室のような設備の派手さはありませんが、机の大きさや配置などに工夫がされておりおちついてじっくりと書道の学習ができるように考えられています。

    書道教室

  • PC教室

    日文学科のコンピュータ関連の授業は、大学全体の情報教育を行っているマルチメディア館のPC教室と学科独自のPC教室の両方を使って行っています。学科のPC教室では、動画編集やプログラミングの授業のほか、ゼミでも活用されていて、2室全52台のPCがネットワークに接続されています。

    PC教室

  • 附属図書館

    附属図書館のページへ

FAQ

Q1. 何を勉強するのですか?

A1.

高校までの国語を基礎に、さらに深くて幅広い日本の言葉について学びます。日本語学、日本文学、日本文化の知識を身に付け、コミュニケーションやプレゼンテーションなど日本語を実社会で使いこなす技能を習得することができます。

Q2. 大学で学べるのは現代文学だけですか?

A2.

日本語についての学びは現代だけでなく、大昔から現代まで網羅していますし、文学だけでなく日本語のしくみやなりたち、書道、情報まで幅広く学べます。1・2年次で日本語、日本文学、コンピュータに関する基礎的な知識を身に付けた後、3年次から少人数のゼミに属して専門的な勉強を進めます。

  • 日本文学:奈良時代から現代までの各時代と漢文学のほか、文芸創作も学べます。
  • 日本語:日本語の言語的な知識に加えて、外国人に対する日本語教育の知識を学びます。
  • 日本文化;文化の歴史や多様性を学びます。また書道を組織的・専門的に学び、作品制作をします。

Q3. 日本文学は他大学にもありますよね?

A3.

日本文学は、日本語によって書かれた文学作品や作家等を研究対象としますが、専門家はそれぞれ対象とする時代を限定します。本学のように、上代(奈良)、中古(平安)、中世(鎌倉・室町)、近世(江戸)、近代(明治・大正)、現代(昭和・平成)の各時代の日本文学から、日本文学の基礎となる中国文学、さらには書道に至るまで、それぞれ専任(非常勤講師ではない)の専門家が揃っている大学は極めて希少です。

Q4. 中学校や高校の国語の教諭になりたいのですが、資格は取れますか?

A4.

中学校と高等学校の国語の教員免許状を取得することができます。さらに副免許として、小学校教諭の教員免許状も取得することができ、日本語日本文学科出身で小学校教諭になる人も出ています。
なお、大学で取得できる「日本語教員」の資格は、日本語を「母語」としない人々(主に外国人)に日本語を教えるためのものであり、中学校や高等学校の国語教諭とは種類が異なります。日本語教員資格を取得できるのは、本学では日本語日本文学科だけです。この日本語教員資格では、夏季休暇中に韓国の提携大学(テジョン市のハンナム大学・ハンバット大学)で実習を行うプログラムもあります。

Q5. 情報の勉強は、どのくらいできるのですか?

A5.

Word、Excel、PowerPointといったOfficeの復習となる「情報リテラシーⅠ・Ⅱ」が一年次の必修科目に設定されています。二年次以降、プログラミング、データサイエンス、テキストマイニング、動画編集、AIに関する選択科目を受講することができます。専門のゼミでは、「文学作品の映像化」をテーマにした卒業制作が行われています。

Q6. 書道の勉強はどの程度できますか?

A6.

書道の教育は、他大学と比べて、かなり充実しており、実用的なものから芸術的なものまで、また、実作から高度な鑑賞まで、幅広く学ぶことができます。「高等学校一種免許(書道)」を取得することもできます。

Q7. 図書館司書、学校図書館司書教諭の資格について教えてください。

A7.

「図書館司書」は、公立図書館・大学図書館・専門図書館などで図書の収集・整理・提供の業務に携わる専門職の資格です。所定の科目を履修して、単位を修得すれば、取得することができます。
「学校図書館司書教諭」は、小・中・高等学校の図書館を運営・管理する専門的職務に従事するための資格です。学校図書館司書教諭の資格を取得するためには、教員免許状(教科は問わない)を取得しなければなりません。

Q8. 課外活動のようなものはありますか?

A8.

学生と教員等を会員とする「武庫川女子大学国文学会」というものがあり、次のような活動を行っています。

  • 会誌『武庫川国文』『会員の広場』の発行
  • 著名な学者や文化人を招いての「学術講演会」
  • 談話会
  • 文学遺跡探訪

いずれも普段の授業とは異なった趣向で、楽しく学習を深めることのできる企画です。

Q9. 海外研修は実施されていますか?

A9.

本学全体の共通教育科目には、休暇期間中に本学のアメリカ分校MUSKや韓国、台湾等の提携大学で行う英語、韓国語、中国語の短期留学プログラム等があり、日文学科の学生も参加しています。この科目で修得した単位は卒業要件に算入されます。

Q10. 就職先はどのようなところですか?

A10.

小学校・中学校・高校の教員、公務員のほか、一般就職では様々な業種に就職しています。日本語学・日本文学・日本文化等の学習で培われた知識や思考力、問題解決能力、そして質の高い日本語力を身に付けていますので、あらゆる業種に対応することができます。
学生の就職を支援する大学全体のキャリアセンターや教職支援室のほか、学科にもキャリア対策委員や教職支援委員の先生がいて、日文科の学生の就職活動をバックアップしています。
「文学部」や「~文学科」に入っても、卒業後、就職先がないということが、何十年も前からまことしやかに語られていますが、少なくとも武庫川女子大学に関する限り、そのようなことはありません。日文科の就職率は他学科に比べて全く遜色ありません。