2018.04.01

学科長メッセージ

maru お知らせ

寺島修一 学科長

 21世紀になって世の中は大きく変わりつつあります。人工知能(AI)が生活の中に入り込んで人間の仕事を奪ってしまうかもしれません。国境の垣根が低くなって社会はグローバル化し、世界を視野に置かなければなりません。そんな時代に「日文」―日本語や日本文学や日本文化を勉強して何になるのでしょうか。
 実は、そんな時代だからこそ「日文」で学ぶことは力になります。
 東大入試突破を目指したAI「東ロボくん」はいったん受験をあきらめました。AIには読解力がまったく足りないことがわかったのです。文章を深く正確に読み解くこと、相手の言うことを誤たず理解すること、そして自分の伝えたいことを的確に表現すること。それらがあって初めて社会の中で人々とともに活動するためのコミュニケーションが可能になります。決まり切った仕事はAIがやってくれます。見たこともない事態に対処するのが人間の仕事になります。他人と協力して事態を打開するためにコミュニケーション能力を伸ばさなければなりません。
 グローバル化する社会で世界中の人とわかり合うためには、相手の文化を知り、わたしたちの文化を知ってもらわなければなりません。外国の人がわたしたちに自分の国のことを尋ねるでしょうか。外国の人がわたしたちに尋ねるのは日本のことでしょう。日本語や日本文化を深く理解していることがわたしたちに期待されているのです。
 「日文」で学び身に付ける力は未来に向かって生きる力になる。僕はそのように確信しています。