林ゼミでは、日本における日本語教育や多言語・多文化状況について学んでいます。
2024年6月4日(火)の演習Iでは、在日華僑華人研究をされている岡野(葉)翔太さんをゲストスピーカーに迎え、「『存在しない』とされている『国』にルーツを持って」というテーマでお話しいただきました。
岡野さんには、台湾出身神戸在住の親戚とのやりとりや、神戸中華同文学校での経験、大学での研究・フィールドワークなど、様々な場面で、自身のルーツの一つである台湾(中華民国)が、いかに語られてきたのかをお話しいただきました。
お話の途中では、様々な場所・時代に発行された東アジアの地図を見比べ、国境の引かれ方の違いを確認しました。神戸開港から150年以上が経過した現在、「神戸の華僑」と一括りにされ得る人々の中にも、多様な背景を持つ人々がいます。複数の国家の視点が交わる中で、今を生きる個人が、どのようなアイデンティティを抱くのか。近現代史を踏まえつつ、一人ひとりの声を聞いていくことの重要性を感じました。