2022.09.26

今年度最後のオープンキャンパスを実施しました!

maru オープンキャンパス tag オープンキャンパスについて

2022年度最後のオープンキャンパスが、9月25日(日)に開催されました。
ここでは、日文学科で行われた学科企画プログラムの模様をお伝えします。

 

①教員(学科長)による学科説明と学生イベント
 日文学科での学びや就職支援について、山本欣司学科長が詳しく説明しました。
 また、現役在学生による、授業や学生生活の送り方などの紹介もスライドを用いて行われました。

 

 

 

 

 

 

 

②模擬授業「米津玄師から藤原定家へ」 寺島先生
 「本歌取り」(有名な古歌の一部を自作に取り入れ作歌を行う、和歌の作成技法のひとつ)についての授業でした。
 古くには、「苦しくも降りくる雨か三輪の崎佐野のわたりに家もあらなくに」(『万葉集』巻第三雑歌 265番 長奥麻呂)を本歌取りした、「駒とめて袖うち払ふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮」(『新古今集』巻第六冬歌 671番 藤原定家)という作品があるということから、現代ではどういった例が見られるか、というお話でした。
 今回取り上げたのは米津玄師の「KARMA  CITY」という曲で、これは中島みゆきの「ファイト!」を本歌取りしたものであり、双方の歌詞を見比べると楽曲に表れる時代思潮が分かります。「ファイト!」が流行った1990年代は世の中がバブル崩壊を経験し、〈ファイト!  闘う君の唄を  闘わない奴等が笑うだろう〉と歌詞にあるとおり、「闘う君」を応援し、「闘わない奴等」を批判するという、「人を鼓舞する強さ」や相手に「かけ声で関与」する風潮がありました。それが2010年代に入ると「KARMA  CITY」の〈戦うやつらはあの子を笑う  戦わない歌うたうから〉といった歌詞のように、「頑張ろうにも頑張れない弱さ」を持った人の立場に立ち、「戦うやつら」(多数派)を批判するという「多様性の許容」と「見守る視線」が描かれるようになります。
 こういった面からも、米津玄師による本歌取りとは、「新たな意味を付与し、単なる言葉の再利用ではなく、受け止められ方に対する批評も加えられている」と見て取れるといった内容でした。

 

 

 

 

 

 

 

③〈懇談コーナー〉
 個別に相談できるスペースとなっており、教員や在学生スタッフがみなさんの疑問や質問にお答えしました。
 〈展示コーナー〉
 書道作品や創作作品の展示のほか、しおり作りの体験ができるコーナーも設けられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

本年度も、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年度同様「事前予約制」という形での開催をしてきましたが、ご来場下さったみなさま、足を運んでいただきありがとうございました。
また、学科企画プログラムの方も、回を追うごとにご予約下さる方々が増えました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!

日文学科プログラムはいかがでしたでしょうか?
一足早く学科の雰囲気を味わえる良い機会だと思います。

本年度のオープンキャンパスは、以上で終了となります。
来年度、日文学科の仲間となった皆さんにお会いできることをお待ちしております!