11月2日(火)、短日1年生の初期演習の時間に、『古典芸能鑑賞講座』のワークショップが行われました。
講師には、シテ方観世流の梅若基徳先生と梅若雄一郎先生をお迎えし、「能」の成り立ちや歴史、海外の方たちから見た「能」など、映像資料をもとに講義していただきました。
映像授業の合間には、実際に面に触れる〈能面体験〉の時間も設けられ、全20面の中から、学生たちが銘々手に取り記念撮影などを楽しみました。
その後、それぞれの能面の表情から読み取れる感情についての解説があり、同じような顔に見えても、髪の毛の筆の入れ方で年齢を見分けるなど、細かい違いがあることを学びました。
また、同じ感情を表していても、面に男女の違いが描かれていることもあるということを知りました。
例として、「怒り」に焦点を当ててみると、男性の面は目が吊り上がり、眉をしかめた表情をしているのに対し、女性の場合、あの有名な鬼女の面である「般若」は、眼を起点とした上部に深い悲しみや苦しみが描かれているというものです。
後半には、舞に使用される扇についての説明もありました。
壇ノ浦で敗れた平家側を演じる際は、大きな波と扇に収まるサイズの日の丸が描かれた面を見せ、反対に、勝利した源氏側を演じる際は、神聖な松の木と扇からはみ出るサイズの日の丸が描かれた面を見せて舞うので、観客は扇のどちらの面が表になっているかで、源氏か平家か見分けることができるのだということでした。
最後に『高砂』の「待謡」の節解説をしていただき、同じく『高砂』の「千秋楽」の仕舞を鑑賞して、プログラムは終了いたしました。
梅若基徳先生、梅若雄一郎先生、本当にありがとうございました。