林ゼミ(3年生)では言語・文化的に多様な人々の暮らしとことばや言語教育について理解を深めるため、2025年6月1日(日)に神戸市長田区にてフィールドワークを実施しました。
前半は、若松公園の鉄人28号モニュメントを見学したのち、商店街を歩きました。鉄人28号の下では「くつっ子まつり」が開催されており、靴を買い求める人々で賑わっていたため、地場産業の一端を知る機会となりました。
ランチにベトナム料理を食べた後、後半は一般社団法人神戸コリア教育文化センター代表理事の金信鏞さんに「フィールドワークとミュージアムから学ぶ神戸・長田在日コリアン〜その歴史と現在」というテーマで、長田を案内していただきました。神戸在日コリアンくらしとことばのミュージアム(愛称:ナドゥリミュージアム)に戻った後、金信鏞さんが活動を開始した経緯のお話をうかがい、ミュージアムの見学を行いました。
フィールドワーク後の授業では、学生一人ひとりが5枚の写真を選び、印象に残った点やさらに調べたことについてプレゼンテーションを行いました。
以下、ゼミ生からの感想の一部を紹介します。
・”くつの町長田”と言われるくらい、戦後爆発的に靴の生産が進んだ歴史が、赤いハイヒールのオブジェや、くつっ子祭りのイベントから伺えました。
キム・シニョンさんのお話からもたくさん学びがありました。家族の集合写真はたったの1枚で、2005年に見つけた「父」「母」「家族写真」の3枚の写真から祖国を感じた、というお話が印象に残りました。それをきっかけに写真を集めようという事で、ミュージアムに様々な写真が展示される機会となり、今の私たちも歴史を感じる場ができた事に感慨深い気持ちになりました。
私は知らなかったのですが、巨大な鉄人のモニュメントは長田ではとても有名らしく、実際に訪れたことのある友達が話をしてくれました。そこに初めて足を運ぶ機会ができ、建っている向きに意味があるというお話もとても印象に残りました。
・普段学校に通って授業を聞くだけでは知らないことがたくさん知れました。朝鮮との深いつながりや歴史も、ネットで調べれば知ることはできるけど、実際にモノを見たり細かい資料を見たりすることはできないので、今回のフィールドワークは個人的にもとても良い体験にになりました。
昔の写真を見たり昔のモノを見たりして、私たちにとってはそれが「昔のもの」という感覚ですが、当時の人たちにとってはそれが実際使ったり見たりしていたものだということが感慨深いと思いました。・(ゼミでの発表を踏まえて)多くの人が靴に関連するもの、例えばモニュメントとして置かれた赤いパンプスや神戸コリア教育センターに置かれた靴を作る工程やそれに使う道具のようなものなどを取り上げていて長田区がシューズに関連しており、より靴の歴史を深く学べる地区であるのだと思いました。また国際交流できる場所も多く設置されており、異文化交流できるとともに韓国・朝鮮との関係性も知ることができました。1枚の写真や短い映像であっても多くの歴史を学ぶことができたと感じています。
・フィールドワークに行かなければ長田区について学ぶ機会はなかったと思うので、今回長田区の歴史を知ることができて良かった。私は奈良市に住んでいて歴史を感じれるものがたくさんあるけど、またそれとは違って長田区では自分の住んでいる地域とは全然違う風景が広がっていたり、全然違う歴史を歩んできていて新しい発見がたくさんあった。発表を聞いて、私が撮っていないような写真を撮っている子もいたので、そんな発見があったんだと思って新しいことを知れたので良かった。
今回のフィールドワークにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。