羽生 紀子 教授
はにゅう のりこ
連絡先 | hanyu★mukogawa-u.ac.jp (注)★を@に変えてお送りください。 |
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担当教科 | 日本文学演習Ⅱ(大学院)、日本古典文学概論、近世文学講読Ⅰ・Ⅱなど |
専門領域 | 日本近世文学、日本出版文化史 |
所属学会 | 日本近世文学会、日本出版学会、全国大学国語国文学会 |
経歴 | 武庫川女子大学文学部国文学科卒業。武庫川女子大学大学院修士課程、博士後期課程修了(その間、日本学術振興会特別研究員(DC1))。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、イギリス・レディング大学、ロンドン大学客員研究員等を経て、2004年、武庫川女子大学講師。2011年准教授、2019年より教授。 |
主な業績 | 著書 論文(最新5本) その他については、https://researchmap.jp/read0122267をご覧ください。 |
担当する授業の内容・魅力 | 近世文学を中心に、古典文学関係の授業を担当しています。古典文学の中でも、近世文学は学生にとって一番なじみがないところでしょう。でも、読んでみれば、現代社会と同じ側面、あるいはそのルーツといえるものがみえてきたりして、意外と身近に感じられることも多いです。きっと、イメージとは違う江戸の世界が広がることでしょう。文学が政治・経済と深くかかわり始める時代ですので、授業では時代背景なども丁寧に掘り下げています。 |
研究の魅力 | 出版というメディアが文学にいかなる影響を及ぼしたのか、という観点から研究しています。日本では奈良時代から出版技術が存在していましたが、商業出版が本格化したのは江戸時代のことでした。現代では当たり前のことですが、文学が商品になったのは江戸時代のことだったのです。それは同時に、作品が「出版メディア」という媒体によって発表されるようになるという、日本文学史上のメディア革命でもありました。作者をめぐる環境は激変し、読者のことを、より意識する時代がやってきたのです。版元(現代の出版社)はプロデューサーとして、作品の成立に積極的にかかわるようになりました。近世文学(江戸時代文学)は「古典」「古文」に分類されますが、このような「出版」という観点からは、「近代」の側面をもっています。「古典性」と「近代性」を有する、とても面白い時代だというのが、近世文学に対する私の見方です。 |
紹介したい一冊 | 宮下志朗『本の都市リヨン』(晶文社) フランスのルネサンス期、リヨンはパリと並ぶ出版都市として隆盛を誇っていました。しかしその黄金期はわずか百数十年。出版都市としてのリヨンは歴史の舞台から姿を消してしまいました。その興亡を、社会的・経済的背景を掘り起こすことで、多角的に描き出したのがこの本です。学部から大学院生時代にかけて、私は出版と文学との関係を研究対象にしたいと考え、特に大学院生時代は、江戸時代の出版機構についての研究を進めていました。そこからさらに、出版と文学との影響関係を表現していこうと考えていたのですが、それまで行われていた日本の出版研究や、出版と文学についての研究の手法では、何か足りないような、もどかしさを感じていました。そんな時にふと海外に目を向けたところ、そこには、私が求める方向性の研究がありました。本書は、私がぼんやりとイメージしていた研究の形を明確にし、その方向性に自信を与えてくれた一冊です。 |