昨年に引き続き、今年も8/24、25の一泊二日、丹嶺学苑で「MWU ライターズ・イン・レジデンス2024」が実施されました。今回お招きしたのは、小説家のグレゴリー・ケズナジャットさんです。アメリカ合衆国のご出身ですが、母語でない日本語での創作を続けておられ、2021年に『鴨川ランナー』で第2回京都文学賞を受賞し、2022年に『開墾地』が第168回芥川龍之介賞の候補となりました。法政大学で教鞭を執られる日本近代文学の研究者でもあります。
写真1、2 ケズナジャットさん
母語でない言葉でどう構想し、どう表現し、創作していくのか。講演前から参加者が抱いていた関心や疑問に、ケズナジャットさんは、日本語との出会いや、初めて日本語の言葉を使って創作したときのことなどのエピソードから始まり、創作が、ことばによって自身の居場所を確認していく行為としてあることを丁寧に誠実にお話されました。一方で、母語であれ、第二言語であれ、誰かに読んでもらうための文章を書いていくことは共通するものがあるのだと、構想の工夫や表現のコツ、さらには小説で賞を取るにはどうすれば?のような実用的(!)な話題まで、終始和やかな日本語でお話しされ、受講者からは折々楽しそうな笑いも起きました。
写真3 セミナー風景
写真4 ケズナジャットさんと会食
講演の続きは会食でさらにQ&Aが展開。
その後はいよいよ作品執筆です。丹嶺学苑のなかで思い思いに創作に集中できる場所に移動して、参加者それぞれペンを取り、キーボードに打ち込みます。当座は構想タイムということで、日暮れまでただただ頭をひねる人も。
写真5執筆中!
写真6 丹嶺の空の雲
写真7 執筆中!
今回は参加が二度目の人も、初めての人もいましたが、皆が様々な文体やジャンルでフィクションの創作に挑戦しました。お互いの作品を読んで意見を述べあい、他の人がどう感じたのか、耳を傾ける時間もあり、また、読んできた本や影響を受けた作品を語り合ううちに同好の士と出会い、思わず手を取り合うような一幕もありました。
こうして今年も二日間、皆が集中して創作に向き合いながら、親睦を深めることもでき、有意義で濃密な時間を過ごすことができました。書き上がった作品は
note: https://note.com/mwuwriters_23/m/m419b128584f3
で発表されています。是非みんなの成果をご一読ください!
写真 集合写真