2022.11.06

書道の授業で、附属中学校・高等学校の安木文雄先生の個展を鑑賞しました

maru 研究室だより tag 平田ゼミ

武庫川女子大学附属中学校・高等学校の書道教諭 安木文雄先生の個展が、10/21~10/23に心斎橋のアイギャラリーで開催されていました。

武庫女の大学生・短大生も「書道Ⅱ」「書道Ⅳ」「書道科指導法Ⅱ」「書道ゼミ(演習)」の授業の一環として、先生の個展を鑑賞させていただきました。

「書道Ⅱ」「書道科指導法Ⅱ」は、高校書道の教員免許取得のための必修科目ですので、実際に高校芸術科で書道を指導されている先生の作品を鑑賞させていただいて、貴重な学びになったようです。

ギャラリーの様子と先生のお作品、学生さんの感想からほんの一部ですが紹介させていただきます。

 

【学生の感想より】

・私たちが書道の授業で書いているような行書・楷書だけでなくさまざまな種類の作品がありました。作品を飾る額縁はそれぞれの作品の雰囲気に合っていて、作品だけでなく全体的なバランスを感じました。なかなか鑑賞する機会のない個展ですが、書の魅力を堪能する楽しみを知ることができました。受付の武庫川女子大学のOBの方ともお話することができ、素敵な時間を過ごせました。

・人生で初めて書道の展覧会を見学したので、感動したことが多かったです。今までは字を書くことは情報の伝達程度にしか捉えていませんでしたが、芸術のひとつなのだと考えました。 選ばれた字の意味以外にも余白や、字のスタイルから作品の意味が変わってくると考えると自分が書いている1枚1枚にも個性があって面白く制作出来るのではないかと思いました。字を書いている後ろに、水墨画のような絵があったり判子を押していたのも可愛くておしゃれでした。小さい作品は近づいて見てみると、繊細な筆遣いがよく分かりました。大きい1文字などを書いている作品には余白の使い方を学びました。日常において余白を意識することはありませんが、日本の美学らしい不完全なところや余白がある美しさを見ることが出来ました。とても勉強になったのでこれからの授業でも教えて頂いたことを意識して出来るようにしようと思います。また他の展覧会にもぜひ行ってみたいと考えました。

・気に入った作品:「たそがれ くさかれ ほしひかれ…」(谷川俊太郎の詩)

この詩には「れ」がたくさん出てくるが、作品の中に一つとして同じ形の「れ」はないところにまず目がいった。「れ」が隣に並んでいても見ていて飽きが来なかった。墨が多く入ったところは、にじみが出ており柔らかい雰囲気になっているのも好きだった。また、最後の行にある「かれののわかれ」のところで「れ」に「の」が引っかかっている点がおしゃれで素敵だなと思った。

・気に入った作品:「始」という作品です。

作品を気に入ったのは、なんとなく心に収まったからで、理由は後付けにはなりますが、何かが始まる予感がする墨の感じと線の始まりから終わりまでのスゥっとした線や白と黒のバランスが好きだ。と思ったからです。

漢字仮名交じりは大胆な線を書く印象があったのですが、2年前に(今回も同じことばの作品が有って嬉しかったです)「ふかきをきわめ…」の小さな作品とその繊細な線に出逢って、漢字仮名交じりの自由さと線の表現の細やかさに驚かされてから安木先生がお書きになる小さくて繊細な作品がとても好きになってまた拝見できたらと思っていたので、今回もそのような作品を拝見することが叶って大変嬉しく思いました。