12月7日 (土) に国文学会公開学術講演会が行われました。
株式会社KADOKAWA 学芸図書編集長兼角川ソフィア文庫編集長 大林哲也先生をお迎えし、
「学術教養文庫の現場 編集という仕事と『不易流行』」の演題で、
出版業界の現状、その中でKADOKAWAが行っている試みを導入とし、
編集の仕事や角川ソフィア文庫が分類される学術教養文庫という分野について講演していただきました。
編集という仕事の職業観や仕事内容は時代によって変化し、仕事も人により違うため、
編集者は校正以外にもより多く本を売るためにどのように宣伝や展示を行うかなど
コンテンツに係わる全てに対応する仕事をされているそうです。
中でも学術教養文庫という分野は古典や英語、宗教など様々なテーマを取り扱った文庫で、
小説などと比べると編集者が直接かかわる要素が多いため、常に企画のことを考えているのだそうです。
企画の一部として、新元号「令和」発表時には、ソフィア文庫で「万葉集」を読んでもらうための宣伝企画や、
具体例をもとに、読者により手に取ってもらえるカバーデザインの変遷についてもお話しいただきました。
また、良い本を売るため、他社の編集長と「チチカカコ」フェアを行うなど新しい企画も行われているそうです。
聴講者の中には出版社への就職を希望する学生もおり、貴重なお話を聴くことができ充実した時間となりました。
大林先生、興味深いお話をどうもありがとうございました。